現在はハイブリッド車やEV車などの電動車は世界中に広く普及し、特に日本国内では、ハイブリッド車比率も高く、当たり前のように見かけますが、ほんの20数年前までは、電気で動く車は夢物語でした。
自動車は、あらゆる地域、気候下で使用されるため、時には非常に過酷な環境となりますが、故障することなく走行出来ることが求められます。
電動車に不可欠なバッテリーの異常を検知するためには、常に温度監視する必要があります。
ところが当時は、温度精度や応答性といった性能面と、過酷な環境下での信頼性保証、二つを同時にクリア出来るサーミスタメーカーはまだありませんでした。
SEMITECはそんな電動車開発黎明期の頃から、これらに使用される大型バッテリーの状態監視用サーミスタをお客様と一体になって手探りで開発を進めました。
自動車用として安心して使って頂けるよう、仕様検討や試作、評価、解析など、あらゆる協力を惜しまず進め、ご満足頂ける製品を提供することが出来ました。
電子部品であるサーミスタは、外部応力や熱、水分等に対して、それ程耐性があるものではありません。しかしSEMITECは、インサート成型、ケース封入などの独自技術を駆使した後加工を施すことで、課題をクリアしました。
一例として、金属の集熱板や、高熱伝導樹脂をアセンブリ構造に組み込む等により、強度や耐候性を確保し、同時に温度精度、応答性を上げることにも成功しています。
また、その後のバッテリーの変化、例えば形状や構造、ニッケル水素からリチウムイオンへのシフト等の変化にも柔軟に対応出来ています。
電動車には累計で1500万台以上、20年以上にわたりSEMITECのサーミスタが使用される実績に繋がっています。