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皮膚がん診断機器用途への応用

超精密高速温度センサ(保護熱源式温度センサ)は、ごく微小な温度変化を超高速かつ非常に精密に計測することで実現した被測定物の熱伝導率を計測することが出来るセンサです。
この熱伝導率を計測できる特徴を生かし、皮膚がんなど、患部を切除することなく非侵襲でがんのステージ診断する機器への応用が期待できます。

皮膚腫瘍の初期診断には主にダーモスコピーとよばれる光源付きの拡大鏡を使用し、色調解析に基づいて行われています。しかしながらその鑑別にはとても熟練を要するといわれております。その為定量的に判断できる新たな鑑別方法が求められていました。
当社が開発している「超精密高速温度センサ」を応用することで皮膚腫瘍と隣接する健常組織との熱伝導率の差を数値化し診断の指標とすることで、皮膚腫瘍の良性、悪性の判定定量的に診断できる可能性が示されております。

熱伝導率の測定原理

Th1の薄膜サーミスタを能動的に発熱(自己発熱といいます)させTh2と同じ温度になるように制御します。
そのうえで Th2の薄膜サーミスタを瞬間的に加熱させ、その後の熱拡散をモニターすることで被測定体の熱物性値(熱伝導率)を計測することができます。

熱伝導率はPulse-Power Integrated-Decay法を用い、下記の計算式により算出できます。

熱伝導率の算出
Puls-Power Integration-Decay法
k :熱伝導率
th :加熱時間
ΔT(t) :温度上昇
P(t) :印加電力
a1,a2 :機器定数

   

熱伝導計測用デモ機

現在SEMITECでは専用のデモ機を作成、医師のアドバイスを仰ぎながら実用化の可能性を追求しております。

専用のデモ機


この様にSEMITECでは新たな用途開発にも積極的に取り組んでおります

その他の用途提案

本開発品の熱伝導率が計測できることを利用し、様々な用途に応用が可能です。
例えば物体内部の状態推定です。
物体内部の熱伝導率を計測することで、初期状態からの物体内部の状態変化を推定できる可能性があります。
例えば表面上は変化がなくても、物体の内部で劣化が起こった場合、クラックなどで状態が変化すると熱の伝わり方も変化します。
その変化は熱伝導率として現れますので、物体の内部の異常を非破壊で確認することも期待できます。

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